ダイエット中の脂質は減らすべき?1日の目安と選び方
目次
ダイエット中の脂質、1日の目安は?
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)では、1歳以上の脂質の目標量は、男性・女性とも総エネルギー摂取量の20〜30%です。成人も同じ範囲です。この「%エネルギー」は、食事の重さの20〜30%という意味ではありません。1日に取るエネルギーのうち、脂質から得るエネルギーの割合です。
脂質は1g当たり9kcalとして計算します。1日のエネルギー量が分かっている場合は、次の式でおおよそのグラムへ換算できます。
| 1日のエネルギー量 | 20%の場合 | 30%の場合 | 計算上の範囲 |
|---|---|---|---|
| 1,600kcal | 約36g | 約53g | 約36〜53g |
| 1,800kcal | 40g | 60g | 40〜60g |
| 2,000kcal | 約44g | 約67g | 約44〜67g |
表は計算方法を示す例で、減量中の全員へ1,600kcalや1,800kcalを勧めるものではありません。必要なエネルギー量は、年齢、体格、活動量、妊娠・授乳、治療状況などで異なります。食事摂取基準の目標量も、健康な集団で生活習慣病などの予防を目的にした範囲であり、個人の治療食や減量計画を直接決める数字ではありません。
また、脂質の目安は「炒め油を何杯使ったか」だけでは判断できません。肉や魚、卵、乳製品、大豆製品、ナッツ、アボカドにも脂質が含まれます。菓子パン、洋菓子、カレールー、揚げ物、マヨネーズ、ドレッシングなどは、見た目以上に脂質を含むことがあります。最初から全食品を計量するより、まず重なりやすい食品と料理を探します。
脂質をゼロにしない方がよい理由
脂質はエネルギー源になるだけでなく、細胞膜など身体の構成に関わり、脂溶性ビタミンの利用や必須脂肪酸の摂取にも関係します。そのため、体脂肪を減らしたいからといって、食事中の脂質をゼロに近づける考え方は勧められません。「体脂肪」と「食事に含まれる脂質」は同じ言葉で語られやすいものの、脂質を食べた分がそのまま同じ量の体脂肪になるわけではありません。
一方、脂質は1g当たり9kcalで、たんぱく質や炭水化物の1g当たり4kcalよりエネルギー密度が高い栄養素です。揚げ物、菓子、脂身の多い肉、濃いドレッシングなどが何食も重なる場合、その一部を見直すと食事全体のエネルギーを調整しやすくなります。大切なのは「脂質を禁止する」ことではなく、必要な範囲を大きく外れていないかを食事全体で確認することです。
総脂質を減らした研究では、通常食と比べて体重がわずかに少なくなった結果があります。しかし、2015年の長期無作為化比較試験の系統的レビュー・メタ解析では、同程度の支援を行った他の食事介入と比べ、低脂肪食が長期の体重減少で一貫して優れるとは示されませんでした。比較する食事、対象者、支援内容、継続状況が異なるため、「低脂質なら必ず痩せる」「糖質制限より必ず優れる」とは言えません。
脂質の種類と食品の選び方
脂質を考えるときは、総量と同時に脂肪酸の種類も確認します。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人の飽和脂肪酸は7%エネルギー以下が目標量です。これは総脂質20〜30%の中に含まれる別の指標です。総脂質を20%未満へ減らす指示ではありません。
飽和脂肪酸は、肉の脂身、バター、生クリーム、チーズなどの乳製品、パーム油を使った菓子や加工食品などに多く含まれることがあります。不飽和脂肪酸は、魚、植物油、種実などに含まれます。WHOも脂質の量だけでなく質を重視し、2歳以上では脂肪を主に不飽和脂肪酸から取り、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を抑えるよう勧めています。
ただし「不飽和脂肪酸を含む食品なら、たくさん追加してよい」という意味ではありません。バターを使った料理へオリーブ油を追加し、間食にナッツを増やせば、脂質とエネルギーの総量は上がります。追加ではなく置き換えとして考えましょう。
| 食事で気づいたこと | 置き換えの一例 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 脂身の多い肉が続く | 一部を魚、大豆製品、脂身の少ない肉へ | 量、調理油、たれ、食塩 |
| 揚げ物が重なる | 焼く・蒸す・煮る料理を一食選ぶ | 「揚げ物禁止」にせず頻度を見る |
| 菓子と菓子パンが多い | 食事の不足を整え、間食を一つ選ぶ | 空腹の背景、1包装の量 |
| 魚をほとんど食べない | 食べられる種類・缶詰・調理法を探す | 骨、アレルギー、塩蔵品、味付き缶 |
| ナッツや油を健康目的で追加 | 他の脂質源と入れ替える | 小袋・大さじでも合計へ入る |
n-3系脂肪酸については、2025年版基準で成人女性は年齢により1日1.7〜2.0g、成人男性は2.2〜2.3gの目安量が示されています。これはサプリメントを取れば痩せるという意味ではありません。魚、えごま油やなたね油などの植物油、くるみ等は選択肢ですが、特定食品だけを毎日大量に取るのではなく、普段の食事へ無理なく組み込みます。
無料体験では、普段の食事時間、運動経験、体調を確認し、生活の中で続けられるトレーニングをご提案します。脂質の数字だけで食事の良し悪しを決めません。
無料体験の空き状況を見る栄養成分表示で脂質を確認する方法
容器包装に入った一般用加工食品では、原則として熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量が表示されています。脂質の量を見る前に、数字が「100g当たり」「1食当たり」「1包装当たり」のどれかを確認します。100g当たり10gと書かれた食品を150g食べれば、脂質は15gです。反対に、1包装当たりの表示を100g当たりと誤解すると比較できません。
- 表示の単位を見る
100g、100ml、1食、1個、1包装など、何を基準にした数字かを最初に確認します。 - 実際に食べる量へ合わせる
2食分入りを一度に食べる、ドレッシングを表示量より多く使う場合は、実際の量に合わせます。 - 脂質だけでなく熱量と他の栄養素も見る
低脂質でも、食塩や糖類が自分の食事に合うとは限りません。主食・主菜・副菜のどこに入る食品かを考えます。 - 1食品ではなく1日を振り返る
昼食の脂質が多かったら、夕食を抜くのではなく、調理法や主菜を穏やかに調整します。
「ノンオイル」「低脂質」「脂肪ゼロ」といった表示だけで食品を選ばず、栄養成分表示と1回量を一緒に見ます。表示を毎日細かく計算することが負担なら、よく買う3〜5食品だけを確認する方法でも構いません。食事の傾向を見つけるには、食事記録の続け方も役立ちます。
1日の食事を無理なく整える手順
脂質を調整するとき、最初からすべての食品を計量すると続かないことがあります。2〜3日だけ食事の写真や簡単なメモを残し、脂質が重なる場面を探します。「朝の菓子パン、昼の揚げ物、午後の洋菓子、夜のクリーム料理」のように同じ日に重なるなら、全部を禁止せず一つを変えます。
朝食:主食だけ、菓子パンだけを振り返る
菓子パンには、小麦や砂糖だけでなく油脂が多く使われる製品があります。毎朝食べているなら、食パン+卵+野菜、またはご飯+納豆+みそ汁など、食事として組み合わせられる日を作ります。乳製品を選ぶ場合も、加糖の有無、脂質、1回量を確認します。朝食が取れない事情がある方は、無理に品数を増やさず、起床時刻や胃腸の状態から考えます。
昼食:主菜と調理法を一つ選ぶ
外食やコンビニでは、丼や麺だけで終わらせず、主菜と野菜の有無を見ます。揚げ物を選ぶ日もあって構いません。同じ食事で、揚げ物+マヨネーズ系サラダ+クリームスープ+デザートのように脂質源が重なっていないかを確認します。主菜を焼き魚や蒸し鶏、豆腐料理へ変える、ソースを全部使わないなど、選択は一つで十分です。
夕食:昼の不足や過剰を罰する場にしない
昼に揚げ物を食べたから夕食を抜く、反対に運動したから油やナッツを多く追加する、といった極端な帳尻合わせは避けます。夕食は主食、主菜、副菜をそろえ、魚を焼く、野菜を蒸す、汁物を添えるなど調理法を変えます。調理油を目分量で何度も足す場合は、一度だけ小さじや大さじで普段量を確認すると、必要以上に細かく計算せず傾向をつかめます。
間食:健康イメージではなく1日の組み合わせで見る
ナッツ、チーズ、ヨーグルトなどは選択肢ですが、食事の脂質へ上乗せされます。袋のまま食べ続けず、小皿へ出す、個包装を選ぶ、食べる時間を決める方法があります。間食を減らす前に、朝食や昼食が軽すぎないか、睡眠不足や長時間の勤務で空腹が強くなっていないかも振り返ります。詳しくはダイエット中の間食の記事をご覧ください。
ダイエット中の脂質でよくある失敗と誤解
失敗1:脂質を20g以下などへ自己判断で固定する
脂質の目標量はグラム固定ではなく、必要なエネルギー量に対する割合です。極端な数字を全員へ当てはめると、食品の選択肢が狭くなり、食事全体が偏ることがあります。SNSの数字ではなく、自分のエネルギー量、健康状態、医療上の指示を優先します。
失敗2:「良い油」なら追加するほどよいと考える
オリーブ油、えごま油、ナッツ、アボカド、青魚にもエネルギーがあります。食品の特徴はありますが、食べる量を考えなくてよいわけではありません。これまでのバターや脂身の一部と置き換えるのか、単純に追加するのかを分けます。
失敗3:低脂質商品だけで1日を組み立てる
低脂質という表示だけでは、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラル、食塩、糖類などのバランスは分かりません。サラダチキン、ノンオイルドレッシング、ゼリーだけといった食事に固定せず、主食・主菜・副菜を組み合わせます。副菜が少ない場合は食物繊維の増やし方も確認してください。
失敗4:主食を抜いて脂質だけを減らす
脂質を減らしながら主食も大きく減らすと、食事全体のエネルギーが急に下がり、空腹、疲労、運動のしづらさにつながることがあります。減量の速度を急ぎすぎず、主食・主菜・副菜の量を一緒に確認します。
失敗5:1食の数字で合否を決める
外食や会食で脂質が多い日があっても、その一食でダイエット全体が失敗するわけではありません。翌日に絶食したり、過度な運動で埋め合わせたりせず、次の食事をいつもの形へ戻します。3〜7日程度の傾向で考えましょう。
失敗6:食事だけを変え、運動と回復を無視する
体重管理は一つの栄養素だけで決まりません。食事、活動、睡眠、ストレス、体調、治療などが重なります。運動を始める場合は、食事を大きく減らしたまま回数や強度を急に増やさず、疲労、痛み、回復を確認します。
脂質を制限する前に相談したいケース
脂質異常症、糖尿病、心臓病、腎臓病、肝臓・胆のう・膵臓の病気などでは、一般向けの20〜30%エネルギーをそのまま自己流で使わず、主治医や管理栄養士の指示を優先します。血液検査のLDLコレステロールや中性脂肪の値が高い場合も、食事中のコレステロールだけを禁止すればよいとは限りません。総エネルギー、飽和脂肪酸、食物繊維、飲酒、体重、薬などを個別に評価する必要があります。
- 脂質異常症、糖尿病、心疾患、腎疾患、肝・胆・膵疾患などで治療中
- 胆のう摘出後や消化器症状があり、脂っこい食事で腹痛・下痢・吐き気が出る
- 妊娠・授乳中、成長期、高齢で食欲や体重が落ちている
- 処方薬や複数のサプリメントを使用している
- 急な体重減少、強い疲労、めまい、動悸、むくみ、食欲不振がある
- 食べることへの恐怖、過食と嘔吐、下剤・利尿薬の使用、休めない運動などがある
上記に当てはまる場合、一般的なダイエット記事より医療・栄養の個別方針を優先してください。食べた脂質を帳消しにする目的で薬、サプリ、下剤、過度な運動を使いません。強い腹痛、繰り返す嘔吐、黄疸、胸痛、息苦しさなどがある場合は、運動や食事調整を続けず医療機関へ相談します。
はやきで、食事と運動を続けられる形へ整理する
ダイエットハウスはやきでは、脂質のグラムだけで食事を採点せず、生活リズム、食事時間、運動経験、姿勢や動作、困っている場面を確認します。医療的な診断・治療や個別の栄養療法は行いませんが、日常で実行しやすい運動と食習慣を一緒に整理します。
例えば昼食に揚げ物が続く場合も、直ちに禁止するのではなく、選べる店、昼休みの長さ、持参できる日、午後の空腹、夕食までの時間を確認します。トレーニングでは、体重を早く減らすために回数や負荷を急増させず、動作、痛み、疲労、回復を見ながら段階的に進めます。
公式サイトで案内している店舗は、名古屋駅前店、名古屋南区店、金山駅前店、一宮駅前店、新安城駅前店、岐阜駅前店、四日市駅前店です。店舗・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報を公式ページでご確認ください。
対応店舗:名古屋駅前店・名古屋南区店・金山駅前店・一宮駅前店・新安城駅前店・岐阜駅前店・四日市駅前店
まとめ:脂質は量・種類・食事全体の順に見る
ダイエット中の脂質は、少なければ少ないほどよいものではありません。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人の一般的な目標量は総エネルギーの20〜30%です。1日1,800kcalなら計算上は約40〜60gですが、前提となるエネルギー量は人によって異なります。
まず2〜3日分の食事と表示を見て、揚げ物、菓子、脂身、クリーム、ドレッシングなどが一日に重なる場面を探します。そのうえで、魚、大豆、脂身の少ない肉、植物油、種実などへ一部を置き換えます。健康によさそうな油やナッツも無制限に追加しません。
低脂肪食が通常食より体重管理を支える研究はありますが、同程度の支援を行った他の食事法より長期的に必ず優れるとは限りません。脂質だけでなく、食事全体、活動、睡眠、体調、継続しやすさを見ます。治療中、妊娠・授乳中、消化器症状がある、体重や食事への不安が強い場合は、一般的な数字より個別の医療・栄養方針を優先してください。
脂質は毎日同じグラムにそろえる必要がありますか?
毎日ぴったり同じでなくても構いません。目標量はおおむねの範囲です。1食の数字で合否を決めず、数日単位で食事の偏りと体調を見ます。
揚げ物は一切食べない方がよいですか?
一律に禁止する必要はありません。頻度、量、同じ食事で重なる脂質源を確認し、焼く・蒸す料理も選べるようにします。治療上の制限がある方は個別指示を優先してください。
ナッツやオリーブ油なら量を気にしなくてもよいですか?
食品としての特徴はありますが、どちらも脂質とエネルギーを含みます。いつもの食事へ無制限に足すのではなく、他の脂質源との置き換えと1回量を考えます。
脂質を減らしているのに体重が変わらないのはなぜですか?
体重は脂質一つだけで決まりません。食事全体のエネルギー、活動、睡眠、水分、便通、月経周期、測定条件などが影響します。短期の数字で制限を強めず、数週間の傾向と行動を確認します。
身体の状態と生活リズムを確認し、今の段階から取り組めるトレーニングと食習慣の整理をご提案します。
体験トレーニングを申し込む- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)脂質」
- 消費者庁「栄養成分表示について」
- 消費者庁「消費者の特性に応じた栄養成分表示活用のためのリーフレット」
- 農林水産省「脂質による健康影響」
- WHO, WHO updates guidelines on fats and carbohydrates, 2023.
- Hooper L, et al. Effect of reducing total fat intake on body weight. BMJ. 2012.
- Tobias DK, et al. Effect of low-fat diet interventions versus other diet interventions on long-term weight change. 2015.
- 日本動脈硬化学会「脂質異常症診療のQ&A」
執筆:ダイエットハウスはやき ボディーデザイナー 位田亮子
公開予定日:2026年9月28日
※2026年9月28日時点で確認できた情報をもとに作成しています。本記事は一般的な健康情報の提供を目的とし、診断・治療を目的とするものではありません。持病や治療上の食事指示がある方は、医師・管理栄養士などの個別方針を優先してください。